「3人でゲーム作ろうまんが」に対する僕自身の意見
元ツイート
こちらのツイートが話題になっていた。
3人でゲーム作ろうまんが(1/6 pic.twitter.com/Vzz6wU1lk6
— てつなつ (@TTetsunatsu) October 14, 2020
僕自身にも若干似たような体験があるがそれは一旦横において、共感できる部分、共感できない部分があったので僕の意見を書いておく。
少人数のチームで期待されることはそれぞれがなし得ないことを補い合う関係
共感できるポイントは以下の部分
わたしたちが個人ではなくチームでゲームを作ろうと日々努力するのは 個人のスキル不足というのももちろんありますが 一番の理由は個人で到達できることには限界があると考えているからです
なので当然あなたにもわたしは「わたしたちではできないこと」を求めます
大人数のチームの場合は指示系統がしっかりしてたり指示内容が明確でないと場が混乱しますが、 これから試行錯誤してものづくりをする少人数のチームにおいては良い考えだと思う。
それぞれが得意な分野や苦手な分野をもつことを意識でき補いあえる関係が築ければ、それぞれを尊敬できプロダクトの期待値も上がるはず。 逆に指示待ちの人がいると誰かの足を引っ張ることになってしまう。 そういった意味で高いポテンシャルやモチベーションを持つ少数精鋭のメンバーでチームを構成したいと考えるのは妥当なことだと思う。
リーダーからの期待の表明が遅すぎる
問題となるのは新人(というかチームにすら入っていないだろう美大生)に対してこの期待の表明が参入当初の時点でなされていないことである。 「現役の美大生」ということに対するステレオタイプで一方的で期待は大変良くない。
美大生の仕上げてきた一校目にいきなり「ふつうすぎます」「これじゃわざわざお金を払って他人にお願いした意味がありません」とダメ出しをするシーンがあるが、このダメ出しの仕方は良くないと思う。 却下された(=作り直しを命じられた)理由が相手の立場だと理解できない。
結局美大生は二度のダメ出しを食らって、「具体的な(OKがもらえる)指示をしてください」と憤ってから、上記の期待の表明を受け何をするべきか考えるようになって良いものが作れたという話になっている。
「反骨心で這い上がってくる」「自分で気づいてほしい」は甘え
この漫画のような例がないと言うわけではないと思うし、こういう経営者に頑張ってついていくことで成長できたというパターンも少なからずあると思う。 あなたのチームに入ってくる期待の新人は何度もやり直ししてくる反骨心のある人かもしれないし、他のメンバーの期待値に対して気づいてくれてよしなにパフォーマンスを発揮してくれる最高の人かもしれない。その可能性はゼロではない。
しかしながら、僕自身はこのパターンだけがエピソードとして残るのはあまり良く思っていない。
理由の一つは、このやり方は依頼を受ける側の立場から見ると高い期待をベースにしてダメ出しされているのか感情でダメ出しを食らっているのかが判断できないこと。 もう一つの理由はこのエビソードで語られない部分でリーダーが人となりを見て「この人ならやってくれると思う」という確信を抱く理由が読者には全く伝わらないことだ。
これは成功したというパターンではなくこういう考え方もあるのかもしれないと読んだ上で、それぞれ現実の立場におけるコミュニケーションは大事に行っていくべきである。
蛇足
なぜかこのツイート漫画が「例の漫画」というキーワードでTwitterトレンド入りしているようだ。 Twitterは公開されている場所なのでツイートする前に文脈が明らかであるか(誤解を招かないか)確認して投稿したいところではある。
「こういうのは勢いが大事なんだよ」という意見もごもっとものように聞こえるが、 トラブルを避ける第一歩は「アクションを起こす前に立ち止まって冷静になること」だと思うので今一度自分が何をしようとしているのかツイートボタンを押す前に考えてもらえるとありがたい。